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  上田市関連ソング 「秋和の里」について

       

 明治の末期、日本の文学界きっての文人滝沢秋暁(本名 彦太郎ー文庫派)が種々の事情で東京の文学界を去り、故郷秋和村(現上田市秋和)に隠遁していることを知った文学界駆け出しの伊良子清白が、越後出張のおり表敬訪問、歓迎され秋暁の家に泊めてもらうことになった。そのお礼にと後日贈った詩である。

佐藤春夫も訪れた秋暁の生家
 上田に関する何か新しい曲を作りたいと考えていた永井彰氏が、この詩に感動して作曲。原曲は篠笛、筝、十七絃伴奏による歌曲であったが、UCF2012のためにピアノと混声四部合唱に編曲された。
 初演は2012年2月11日、台東区立旧東京音楽学校奏楽堂における第7回21世紀合唱音楽祭にて、 指揮・田中豊輝、合唱・大久保合唱団、ピアノ・川井敬子、篠笛・松尾彗にて演奏された。


混声四部合唱「秋和の里」
   …秋暁に贈る…          UCF2012合唱団の演奏を聞く

 作詩 伊良子清白
1877年(明治10年、鳥取県八上郡曳田村大字曳田(現在の鳥取市河原町曳田)生れ。京都府立医学校(現在の京都府立医科大学卒業1906年に唯一の詩集孔雀船』を刊行。1980年(昭和55年)生地であり、名作「漂泊」の舞台である曳田の正法寺境内に、同作の第4連を山本嘉将が筆にした詩碑が建立された。

 作曲 永井 彰
1931年生れ、元上田高校音楽教師、作曲集団たにしの会会員、(社)日本作曲家協議会会員、上田市常磐城在住。 作品:混声合唱組曲「上田讃歌」箏伴奏による歌曲集「佐久の草笛」(佐藤春夫作詩)。 小林すげじの短歌による四つの歌。尺八・箏・十七弦のための合奏曲「うめの子守唄」。交響詩「信濃の山に木霊して」。 弦楽四重奏曲 第1番他多数。


月に沈める白菊の
秋冷(すざ)まじき影を見て
千曲少女(おとめ)たましひ(い)の
ぬけかいでたるここちせる

佐久の平(たいら)の片ほとり
あきわの里に霜やおく
酒うる家のさゞめきに
まじる夕(ゆうべ)の鴈の声

蓼科山の彼方にぞ
年経(へ)るおろち棲(す)むといへ
月はろばろとうかび出(い)で
八谷(やたに)の奥も照らすかな

旅路はるけくさまよへば
破(やぶ)れし衣(ころも)の寒けきに
こよひ朗(ほが)らのそらにして
いとゞし心痛むかな


上田あたりを佐久の平と言うのは無理があるが、これは蓼科山に対する詩人の言葉であると言われており、「酒うる家」は上田からの途中にあった「米万」という居酒屋のことらしい。



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