天台宗別格本山 常楽寺

主な所蔵内容


聖観音菩薩(愛称:乙女観音)
中国聖観音立像で一木彫で内刳りのない丸彫りの像であ
る。腰をひねり左足を踏み出した動勢がめだつ。制作は
中国の宋時代のものと思われる。

徳川家康日課念仏
家康は天台、浄土の両宗に帰依すること篤く
六字の名号を書写するのを常としたという。
この日課念仏は、三紙、六段に名号を書し、
各段百十一返すべて六百六十六返を記してい
る。家康作善の日常を示す興味ある資料であ
る。

三浦屋図
江戸の新吉原遊郭でももっとも格式の高い妓楼三浦屋店頭の光景である。高位の遊女が伴をつれて店内に入ろうとするところを路上の遊客が眺めており、格子の内側には張見世をしている遊女の姿も見える。図上の年記から享保15年8月のことと知られる。
江戸東京博物館にレプリカがある。

棟方志功の手紙
常楽寺名誉住職が戒名をつけた時の礼状である。
1979年6月17日 半田孝淳名誉住職宛にあてたものである。

普賢菩薩騎象像
大波うねる懸崖を背景に、乗雲とともに現れたる騎象普賢を描く。
如意を持ち、蓮台上に半跏した菩薩は風格のある表情で、丁寧な髭、しまった唇など、確かな描法が見られる。画面上部左端に「天正弐甲戌 月吉日」(1574年)の記年銘があるが、その年代に合致した狩野派正系の画人の作であろう。左端下には「狩野永徳」の幼名である「源四郎」の款記があるが、これは後落款と思われる。