その1(主な受賞作品)
新緑の山路にせはしく啄ばめる黄せきれいなかなか道を譲らず 平成7年 第24回 全国短歌大会 佳作 |
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粉雪が舞ってをります信州より届きしはがきに始まりし恋 終電の改札口を掛け戻り君のコートに包まれし街 平成8年 第17回 全日本短歌大会 選者賞 |
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ひざまづき五輪選手の裾上げの針刺してゆく母の思ひに 金メダルを外して胸に掛けくれぬ母の世代のボランティア我に 平成10年 第19回 全日本短歌大会 選者賞 |
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大好きです叫ぶ生徒の声を背に離任式場導かれ辞す
先生に会えて良かったと泣きじゃくる生徒の細き背中撫で継ぐ 平成18年 第27回 全日本短歌大会 佳作 |
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冴え冴えと畳にとどく月明かりここに臥せゐし夫は逝きたり 平成22年市短詩型文学祭市長賞 |
世界女性会議 二十首 | |
北京会議登録証の手に重しニューヨークよりの白き封筒 雅子妃と同じ靴とふ奮発すフォーラム会場は広大と聞き 世界中の女性の状況学ばむと母親五人村を出で来ぬ 女性会議歓迎の旗あふるるも北京の街は警備厳しき 会場を示す真っ赤なアドバルーン目指し歩けば胸の高鳴る
大和田大使の言葉逃がさず野次の飛ぶ慰安婦問題に満員の部屋
アンゴラの女性と挨拶交はしつつその位置知らぬ我を責めいる 平成7年度 短歌新潮賞 |